新型コロナウイルス感染症後遺症

令和4年7月17日更新

当方、医師として診療に従事して約25年で様々な病気を診てきました。

感染症にかかって、こんなに後遺症が残って日常生活に支障がでるウイルスは初めての経験です。

 

新型コロナウイルスも後遺症さえなければ、ほぼかぜみたいな病気に位置づけが近くなっています。

しかし、後遺症対策のために「風邪を引くな」みたいな無茶なことは現実的でないです。

ですので、世の中全体では必ず新型コロナウイルスに感染する患者さんが発生し、そのうちの一定数は必ず新型コロナウイルス感染症後遺症を発症するということになります。

そしてこの現実は、新型コロナウイルスが地球上から滅びない限り(無理です)、必ず続く話になります。

 

当方、漢方医(代替医療医)として、新型コロナウイルス後遺症の患者さんが少しでも元気になって、今後の人生で活躍できるお手伝いをしたく、コロナウイルス後遺症外来を始めることにしました。

何故漢方医(代替医療医)がコロナウイルス後遺症を見るのか?

答えその1 西洋医学では概念として把握できない病気だから

新型コロナウイルス後遺症は様々な症状がありますが、分類すると以下に分類が可能です。

呼吸器(胸部)症状

咳/痰 息切れ 呼吸困難 胸痛 

消化器症状

下痢 腹痛

耳鼻咽喉科(舌・上咽頭)症状

上咽頭炎 味覚障害 嗅覚障害


精神・自律神経失調症状

不眠 頭痛 抑うつ 動悸

集中力低下 記憶力低下

体力低下

慢性疲労 倦怠感 起き抜けの辛さ

他全身症状

筋肉痛 関節痛


こういう多彩な症状は、臓器別専門医では全く歯が立ちません。

例えば、消化器内科の先生では耳鼻咽喉科や精神症状は無理でしょう。

「総合内科の先生は?」は総合診断医ですので、治療は各臓器別専門医の先生に依頼されます。

 

この病気は後述しますが、コロナウイルス感染により大量の活性酸素が体内で発生して、それに伴う全身症状と推測されます。

呼吸器・消化器・耳鼻咽喉科の症状は、感染したときの新型コロナウイルスが付着した部位での障害と考えられます。

そこで生じた活性酸素が、中枢神経・自律神経・末梢神経等に障害を起こして全身症状を起こしていると考えます。

体力低下は、呼吸器感染に伴う呼吸機能低下によるATP産生能力低下、消化管感染に伴う消化吸収能力の低下による低栄養でしょう。

新型コロナウイルスが消化管に感染することは初めの頃から分かっていました。巷では全く話題になっていないです。

消化管に感染すると自律神経の不調が起こり、αディフェンシン等の抗菌タンパクが減少して腸内環境が悪化します。

腸内環境の悪化と自律神経失調症はお互いが相互に増強しあうので、まとめてやっつけなければいけません。

それが出来ないと全身に活性酸素が飛んで、様々な全身症状を起こすのでしょう。

 

では、当方の理屈(仮説)が正しかったとしても、「保険診療の西洋医学で活性酸素を除去する方法はあるのか?」となると、ほぼありません。強いていえば、ビタミンCとガンマオリザノール位です。民間療法/代替医療ではいくらでもありますが、それは通常は食材または植物の成分です。ガンマオリザノールは米ぬかの成分です。

しかし、ビタミンCとガンマオリザノールの投与量は保険では上限がありますので、十分な効果がでる程の投与が出来るかは疑問です。

更に活性酸素の定量化は保険診療の検査では存在しません。

 

つまり保険診療の西洋医学では、新型コロナウイルス後遺症の症状の評価と投薬での治療手段が存在しません。

 

B スポット療法というのがありますが上咽頭の炎症部位を薬物で破壊していますので、どちらかと言えば外科治療に位置します。

 

amazon で「新型コロナウイルス感染症 漢方」と検索すると、令和4年7月17日現在でコロナウイルス後遺症が話題になって2年弱経つのに、B スポット療法以外でコロナウイルス後遺症の治療についての書籍は漢方で2冊のみの販売です。

だから、西洋医学の先生のサイトは「後遺症は原因不明、対症療法を行います。」と記載されていると事が殆どです。

 

前置きは長くなりましたが、漢方治療は有効な可能性があります。

何故か?

それは漢方薬は活性酸素を除去するまたは生成抑制をする生薬が多く頻用されています。

ですので上記の多彩な症状の一覧を見ると、少し経験のある漢方医なら、「漢方でいけるでしょ。」と言ってしまうようなよくある話なのです。

 

頭がボーッとすつ症状はおそらく、腸内環境悪化+自律神経失調症による過剰な活性酸素での脳内の炎症です。

これは釣藤鈎という生薬が効くというのは経験的に分かっています。

代替医療ではBrain Fog (脳に霧がかかった感じ)と表現されますが、この症状は腸内環境の悪化(SIBO)で起こる症状です。

 

東洋医学で新型コロナウイルス感染症の病状を評価すると、主たる異常は気滞(自律神経失調症)と気虚(体力低下)です。

それに感染した部位の活性酸素による諸症状が付随している状態です。

 

ここまで読まれた患者さん皆様、当院で漢方治療をお試しするのは如何でしょうか?

 

漢方治療がイマイチだった患者さんへは自費治療になりますが、栄養療法による自律神経調整/腸内環境改善、薬膳/腸活カウンセリング、水素吸入などの代替医療も準備しています。

 

心身少しでも元気になって、これからの人生が素晴らしいものになっていく事をお手伝いします。